歯周病治療
歯周病治療
歯周病の発症は、年々増加の傾向を辿っています。かなり重度になるまで自覚症状が出ない病気なので、定期的な検診をお勧めします。
歯周病は、歯を支える土台部分の骨を溶かしてしまう恐ろしい病気です。しかしながら、末期になるまでよる自覚症状がほとんど出ないため、重症化してからの発見になりがちです。当院でも、すでに手遅れの状態になってから来院される患者様が少なくありません。
歯を残す努力は最大限行いますが、殺菌を試みても土台部分の骨の溶け出しが止められない場合は、抜歯は避けられません。そうならないために、自覚症状がないときからの定期検診が重要です。
重症化すると厄介な病気ですが、予防対策で発症を防げるのが特徴です。当院に来院してくださった患者様には、ご希望を伺って同意があれば歯周病予防や治療を積極的に提供しています。
インプラントを希望される患者様の歯周病
インプラント治療のために来院される患者様の中には、歯周病にかかっていらっしゃる方が意外と多くいらっしゃいます。インプラントは、義歯を入れる土台の骨の健康が重要です。まずは、歯周病治療をきちんとしていただくことが先決です。
歯周病とは
主に歯肉炎や歯周炎などにより、歯を支えている歯ぐきや歯槽骨が溶けて破壊されてしまう病気です。歯周病原性細菌が主な原因です。感染すると、まず歯肉に炎症が起きます。そしてさらに悪化した炎症が歯槽骨に達すると歯を支えられなくなり、やがて歯は抜け落ちます。
歯周病チェック
歯周病は歯ぐきに炎症を起こすだけでなく、骨まで溶かしてしまう恐ろしい病気です。しかし、決して珍しい病気ではありません。それどころか、日本人の成人の80%が歯周病にかかっていると言われています。
怖いのが、初期に痛みなどの自覚症状がほとんどないこと。ぜひこの表でチェックしてみてください。当てはまるものが1~2項目の場合は軽度、3~5項目の場合は中度、6項目以上は重度の歯周病の可能性があります。
<歯周病の自己チェック>
お口の中がネバネバする
口臭がする
歯と歯の間に食べ物が挟まる
歯ぐきが痩せて、歯が長くなったように見える
歯ぐきを押すと血や膿が出る
歯を磨いていると血が出る
水や甘い物を口に含むとしみる
固い物が噛み辛くなった
歯がぐらぐらする
歯に歯垢や歯石が付いている
歯ぐきが腫れている
歯周病の進行と対処法
歯周病治療は、歯科医院での段階ごとの処置とご自身のケアの両方が必要です。発見が早ければ早いほど、治療もお口へのダメージも軽くすみます。
歯周組織は健康な状態
- 歯周ポケットは1~2mm程度
- 歯肉は薄ピンク色で腫れはなし
【対処法】
治療は不要ですが、3~6ヶ月ごとの定期検診と、毎日の歯垢除去を必ず行いましょう。歯科医院での専門的な歯のクリーニングもお勧めです。
歯周病歯肉炎
- 歯垢と炎症でポケットができている
- 歯ぐき溝に歯垢が溜まり、歯ぐきに炎症が起きている
【対処法】
3ヶ月ごとの定期検診と歯石除去のメンテナンス、ご自身のブラッシングの改善が必要です。専門的な歯のクリーニングもお勧めします。
歯周病軽度歯周炎
- 歯周ポケットは3~4mm程度
- 歯ぐきに炎症が起こり、深い赤色になる
- 歯槽骨に変化が出てくる
【対処法】
まずは、ブラッシングで歯肉の状況を回復します。その後、歯科医院での完全歯石除去と、歯肉内のSRPや専門的な歯のクリーニングも定期的に受ける必要があります。
歯周病中等度歯肉炎
- 歯周ポケットは4~6mm程度
- 歯肉の炎症が進行し、腫れ・出血がある
- 歯槽骨の吸収が進行
【対処法】
まずは、ブラッシングで歯肉の状況を回復します。その後、歯科医院での完全歯石除去と、歯肉内のSRPを行います。重症度により、歯周外科手術が必要な場合があります。専門的な歯のクリーニングや再発防止対策も必須です。
歯周病重度歯肉炎
- 歯肉が定期的に腫れて、痛みがひどい状態
【対処法】
歯の保存が可能なら歯周外科手術を試みますが、ここまで進行してしまうと抜歯せざるを得ない場合があります。こんな状態にならないように、予防や定期検診を欠かさず行いましょう。
歯周病の基本治療
SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
歯周ポケットの奥や歯根の表面に付いた歯石を取り除き、歯周病感染で傷んだ歯根を部分的に削り、表面を滑らかにします。
ブラッシング指導
歯周病の一番の原因はブラッシング不足です。患者様の歯並びや口腔内環境に合わせた正しいブラッシングと注意点をご説明します。
歯周外科
フラップ法
歯周病が進行し、歯周ポケットが5mm以上の重度の場合に行う手術です。歯肉をはがして歯石や汚れを取り除き、歯槽骨の整形と、傷んだ歯肉の組織を取って元の状態に戻します。
歯肉切除
歯肉の盛り上がった箇所を切り取り、食べカスや歯垢が溜まらないようにします。
歯周組織再生療法
特殊なたんぱく質が主成分のリグロス(ゲル状)は細胞を増やす成長因子であり、リグロスを骨がなくなった部位に塗布して歯を支えている歯周組織の再生を促します。リグロスは保険適応の薬剤であり、歯周外科手術と一緒に使用します。