むし歯治療
むし歯治療
見つけにくい小さなむし歯から進行したものまで、的確な診断をして、患者様にも歯にもできるだけ負担に配慮した治療を行います。
治療に大切なのは、今病状がどの段階にあって、どんな治療が適切であるかを正確に判断することです。当院では、治療が必要になる前段階の初期のむし歯を発見し、進行を食い止めるよう努めています。
初期のむし歯は、軽度であれば削らず回復させることが可能なので、早めの診断が何よりのカギになります。逆に相当進行させてしまったむし歯は、まずはしっかり状況を見極めます。そして、歯にかける負担をできるだけ軽減する治療方法を見つけ出すことに努めます。
レントゲンや触診で見つかりにくい小さなむし歯も発見
当院は、小さなむし歯まで発見できるよう、技や勘だけに頼らず「ダイアグノデント」という光学式う蝕検出装置を使用します。歯にレーザーを照射し、小さなむし歯まで発見できるようにします。技や勘だけに頼らない、正確な診断に効果的です。
ダイアグノデントとは
歯にレーザーの光を当てて、むし歯に冒された歯が発する光を数値や音色に置き換えて読み取り、むし歯の進行状態を計る機器です。
【メリット1】詳細な診断
特に、早期でむし歯を見つけるのが困難な奥歯の診断時に役立ちます。進行状態を細かく知ることができるので、どんな予防処置や管理が必要かの指針になります。歯の再石灰化の測定もできるので、予防処置の効果具合を診るのに有効です。
【メリット2】正確な測定が見込める
レーザーの光は極小経路で反射するため、裂溝域でも正確な蛍光測定が期待できて歯面を傷めません。
【メリット3】痛みはほとんどゼロ
診査はほとんど痛みを感じないので、お子さんや痛みに弱い患者様にもお勧めです。
<診査で出た数値>
0~14:処置は不要
15~20:予防処置の実施がお勧め
21~30:患者様の歯の強度やメンテナンス間隔等に合わせた予防処置、または保存修復処置の判断が必要
30以上:治療の実施がお勧め
初期から末期までのむし歯の症状
むし歯の症状は、初期段階の「CO」から歯が崩壊する「C4」まで5段階の症状に区分されます。初期であれば軽い処置ですみますので、自覚症状がなくても定期的な歯の健康チェックを行いましょう。
CO(初期むし歯)
虫食い・黒ずみがなくても歯が溶け出し、むし歯が始まった状態です。フッ素入りの歯磨き剤でのブラッシングで、再石灰化が可能です。
C1(エナメル質う触)
歯の表面を覆うエナメル質を溶かし、小さな穴が開きます。痛みはほぼありません。治療については、保険適用内の白い詰め物を使った完治が一般的です。
C2(象牙質う触)
エナメル質の下の象牙質まで蝕まれ、甘い物や冷たい物がしみることがあります。範囲が小さければ、保険適用内の白い詰め物で完治が可能です。範囲が大きい場合は疾患部除去と成形を行います。除去した部分に型取りした詰め物の装着が必要です。
C3(神経まで達したう触)
象牙質の下の神経まで達し、激痛を伴うことがほとんどです。神経が駄目になってしまうと、歯ぐきが腫れたり炎症による膿が出ます。この状態まで進行すると、根管治療が必要です。
C4(残根状態)
歯は崩壊し、歯根だけが残った状態です。治療可能な歯質が残っている場合はC3と同様の根管治療ができますが、症状によっては抜歯が必要な場合もあります。
歯を守る効果的な歯磨き
毎日の歯磨きには、歯を守る効果を上げるコツがあります。丁寧なブラッシングできちんと歯垢を取り除くことはもちろんですが、磨くタイミングも肝心です。
菌を効果的に減らす磨き方
- 寝る間際に必ず磨く
- 朝起きた直後に磨く
菌がお口の中に一番増える時間帯は、夜寝ている間です。寝る間際にきちんと歯を磨いて菌を取り除きます。さらに起きるまでの間に新たにできてしまう菌は、起きたらすぐ(食事前に)取り除くことで、お口の中をよい状態に保てます。
重度のむし歯でもできるだけ「神経」を残す治療を行います
他院で「神経を抜く必要がある」と診断された歯も、当院ではできるだけ神経を残す治療を心がけています。もちろん進行の度合いや患者様のお口の状態によって残せない場合がありますが、下記のような治療で多くの神経除去回避に成功しています。
「できるだけ残す」ための治療
- 水酸化カルシウム製剤を使って3ヶ月ほど時間をかけて2次象牙質の生成を促す
- むし歯菌の殺菌に3Mixを使用
もともと体にあるものは、なるべく取らないことが大切です。神経を抜く選択の前に、ぜひ一度ご相談ください。
●3Mixとは
3種の抗生物質を混ぜた薬剤のことです。むし歯に塗って殺菌します。通常のむし歯治療はむし歯部分をすべて取り除きますが、3Mixを使った治療は、抗生物質の殺菌効果で細菌だけを殺すことができます。
痛みを抑える工夫
治療時の痛みをできる限り軽減できるよう、麻酔を使用します。
【当院の麻酔メニュー】表面麻酔
患部に塗るだけ、吹き付けるだけなど複数のタイプがあり、痛みを伴わず歯ぐきの表面の感覚を鈍くします。当院では、この麻酔を先に使用して麻酔注射の痛みを緩和させています。
【当院の麻酔メニュー】自動注射(アネジェクト)
麻酔処置時の痛みには「刺す痛み」のほかに「麻酔液が入るときの痛み」があります。アネジェクトを使用すると液の注入スピードを一定にコントロールできるので痛みを軽減できます。
【当院の麻酔メニュー】歯根膜内注射(パロジェクト)
効果が早く表れ、有効率が高いのが特徴です。通常、麻酔薬の注入は強い力が必要ですが、軽くクリックするだけで容易に注入できるところも利点です。